不安は誰にもつきもの。エクスポージャー法・その1
あがり症には不安感もつきものです。第三者からみたら実体の無い不安に過ぎないのですが、本人にとっては、あがりそうな状況そのものが不安の元なのです。
誰しも不安なことからは逃れたいと思います。ただあがり症である人は、あがりそうな場面から逃げ出そうとしますので、そこには対人関係的にも問題が生じてくるわけです。不安を感じる状況とは、主に人前で話をしたり、知らない人と接したりすることですが、そから逃げ出し、自分だけの小さな殻に閉じこもろうとする行為は、本人ならずとも何とか修正したいところです。
本人は、特に意識せず、あがりそうな状況に身を置かない方が、自らの不安を少しでも和らげてくれるので、無意識のうちに人との接触を回避する行動をとってしまうようです。
あがり症を克服するためには、このような行動をさせずに、あがりそうな状況、不安を感じる状況から逃げ出さないことが大切なポイントになります。
子供の場合には、あがり症を克服するための処置を何も行っていないのに、あがり症が改善された、というケースがよくあります。このようなケースは、多くの場合、あがり症への処置を始める前に、協力者の力が関係していることを意味しているようです。親が子どもに対して、積極的に他人と関わりあえるような状況を作り出します。そのような環境を親が強いて作り出すことによって、子どものあがり症が比較的簡単に改善していくケースは多いのです。
しかし、大人になると子どものように単純ではないようです。大人の場合は、いったん自己が確立してしまっており、不安な状況から逃げ出すというのも確立された行動様式です。それを変えていくにはなかなか難しいものがあります。
このような行動様式を変えるには、専門的な訓練が必要かもしれません。ひとつの例としては「エクスポージャー法」という訓練が、あがり症に有効とされています。
この方法は曝露療法とも呼ばれ、本人には敢えて不安に感じる状況に身を置かせ、その状況に身をさらすという訓練です。あがりそうな状況、逃げたくなる状況から逃げない、という訓練であり、当初は抵抗があるかもしれません。
しかしあがり症の人は、不安な状況から逃げ続けている限り、その不安はどこまでいってもついてまわります。さらにその不安が少なくなるのではなく、逃げることにより、不安は大きくなります。敢えて不安な状況に立ち向かう姿勢をとろうとすることにより、その不安は少しずつでも軽減されていくはずです。
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