不安と緊張に襲われるあがり症
あがり症と不安感には密接な関わりがあるようです。
あがり症に悩んでいる人にとっての不安感は、その場に臨む前と、その場に置かれている最中に、当人を包み込んでしまいます。つまり、あがってしまう状況に置かれる前や、その状況に置かれている最中に当人は最も強く不安を感じるようです。
その状況に置かれる前の不安のことを「予期不安」と呼んでいます。予期不安では、「(これまでと同じように)おそらく今度も上手に切り抜けられないだろう」と事前にネガティブな不安を予期してしまいます。あれこれと悪い方の可能性ばかりを考えてしまい、さらに最悪のケースまで想像してしまうために、当初小さかった不安感がさらに大きく膨らんでしまいます。
その状況の最中に強い不安を感じているケースでは、その不安にばかり気をとられてしまい、著しく集中力が欠けることになります。そして「不安に感じていることが、他の誰かに覚られているのではないか」とか「この不安がいつまでも収まらなかったらどうしようか」などと考え始めます。このような状態になると、ますます本来の目的に集中できなくなってしまい、他人の目や、自分の感じている不安のことばかりが頭の中を占めることになります。
このふたつの不安、「予期不安」とその状況の最中に襲われる不安について、それでは、どのようにしたらこれらを払拭し、あがり症を改善することが出来るのでしょうか。
このような不安や緊張は、まったく感じないようにすることは不可能なことです。世の中に不安や緊張の無い人は誰一人いないのです。ごく普通の人であるならば、不安や緊張のために「あがる」のはごく自然なことなのです。
あなたがもしあがり症でお悩みだとするならば、あなたのあがり症は、ほんの少しだけ普通より不安の度合いが強いだけのことです。強いものを弱めることは出来ます。また不安感や緊張を無くすことは出来なくても、少なくすることは出来ます。
そのためには、まず形からです。人みな人前で話す時など落ち着いているように見えますが、その実、みんな緊張はしています。ただ場数や慣れで、落ち着いているふりをするのが身についているだけのことなのです。形から入るというのは、スポーツや武道でもそうですが、不安ならば、ほんの少しでも落ち着いた「ふり」をする。落ち着いた「ふり」のために、少しの時間、目をつぶってみる。そんな「ふり」のトレーニングを積むうちに、「ふり」があなたの属性になってきます。
実際には、他人が自分に対して「緊張しているな」とは「あがっているな」とはなかなか気づかないものです。そわそわしたり、黙り込んでしまったりした時に初めて気がつくようなものです。
不安感や緊張に襲われるあがり症には、「ふり」のトレーニングはよく効くはずです。早速取り組んでみてください。
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