脳の若返りは海馬を活発にすること
海馬は、脳の中でも最も衰えやすい部分なのです。
たとえば、アルツハイマー型認知症では、脳の細胞は海馬から萎縮していくことが分かっています。脳の老化現象として、最近のことが思い出せない物忘れが真っ先に現れるのも、海馬の衰えやすさを示す証拠といえるでしょう。
だからこそ物忘れ、ひいては認知症を防ぐためには、海馬を強化することが極めて重要となるのです。
海馬の神経細胞は、脳の神経細胞の中でもとりわけ繊細です。脳の血流が不足したり、脳が衝撃を受けたり、強いストレスを感じたりすると、海馬の神経細胞はすぐに死んでしまいます。そのため、過去には、「海馬の神経細胞は増殖せず、年をとればどんどん減少する」と考えられていました。
ところが、近年、海馬の神経細胞は減りやすい一方で、年をとっても増やせることが明らかになりました。1998年、スウェーデンのエリクソン博士らが、57~71歳の人の脳を調べたところ、脳の神経細胞は増えることが確かめられたのです。特に顕著に増えていたのが、海馬の神経細胞でした。
この研究からわかったのは、海馬を若返らせ、物忘れを治すことは不可能ではないということです。海馬の働きを活発にする強化法としては、五感を刺激して新しいものを覚えることや、ゆっくりと行う深呼吸などが有効とされています。
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