記憶力向上のために、セロトニンを増やす簡単な方法
最近、米国のエール大学で、呼吸とセロトニンの関係についての研究報告が発表されました。それは、血液中の二酸化炭素の濃度が高くなると、セロトニン神経からのセロトニン放出が増えるというものでした。
空気中の二酸化炭素濃度を上げていくと、縫線核(ほうせんかく)の周囲を流れる血液中の二酸化炭素が増えます。すると、セロトニン神経の働きが盛んになって、その末端からのセロトニンの放出が増えることが、動物実験で確認されたのです。
では、私たちが普段の生活の中で、セロトニンの放出を増やすことはできるのでしょうか。
じつは、とても簡単な方法があります。それは深呼吸。ゆっくりと深呼吸をすれば、血液中の二酸化炭素が増え、その結果、セロトニンを増やすことができるのです。昔から、深呼吸が精神安定・ストレス軽減に役立つことは知られていましたが、それは増加したセロトニンの働きによるものとも考えられます。
特に、仏教の修行法のひとつである「禅」の中の「数息(すそく)」という呼吸法を応用し、1分間に4回ぐらいゆっくりと腹式呼吸をすると、血液中の二酸化炭素がよく増えて、セロトニンが多く分泌されます。
数息は、丹田呼吸法(へその下を意識して行う腹式呼吸)の一種で、「ひとーーつ、ふたーーつ・・・」と唱えながら息を吐き、10まで数えたら息を吸い、また1から数え直します。声を出して数を数えたり、頭の中で数を唱えたりしながら行うことで、雑念が浮かぶ余地がなくなり、高い集中力が得られます。
なるべく座禅を組むときの姿勢で腹式呼吸をするのがいいのですが、椅子に座ったままでもかまいません。通勤電車の座席でもできます。息が苦しくて、もう少し速く吐きたいと思うくらい、ゆっくりと吐いていくのがポイントです。息を長く吐くことによって、血液中の二酸化炭素濃度が高く保たれます。
この深呼吸を繰り返し行えば、絶え間なくセロトニン神経が刺激されて、海馬をはじめ脳の衰えを防いでくれるセロトニンが多く分泌されるのです。
脳の衰えが気になる人は、今すぐにでも始めてみてください。
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